最近の3つ(くらい) 新里明士

Yutaka Kikutake Galleryのアーティストたちに近況の報告日記をお願いしました。
読んだ本、聞いた音楽、美味しかった食べ物、そして、作品制作のこと。それぞれ多くて3つくらい、ご紹介します。
第5回目は新里明士さんです。

最近読んだ本

人間の条件』 ハンナ・アーレント

来年に延びてしまった展覧会のために。あまり進まないのでゆっくりと。

利休聞き書き「南方録 覚書」』 筒井紘一

茶碗を作るのに今まで読んでなかった本です。反省しながら。

墓の考古学』 土生田純之編

少しずつ読んでいるもの。知らないことがたくさんで面白いです。

聞いている音楽

『佃祭』 古今亭志ん朝
落語通ではないのでこの噺の相対的な位置付けはわからないのですが、なんか好きで不思議とよく聞いてしまいます。

『Loveless』『isn’t anything』 My Bloody Valentine
もう25年以上も好きなマイブラ。何故かsupremeコラボにつき久々に音量大きめです。

美味しかったもの

たけのこ、山椒、スナップえんどう
外食が少ないので自宅近くで採れたものです。

面白いできごと

地元の神社の祈祷料の集金係として、長く住んでいるのに初めて会うご近所さんを訪ねて歩くこと。

作品制作のこと

個展も2つ予定が飛んでしまい、制作のペースがよくわからない近頃、気になっているのはこれまで気にする時間が無かった“割れ”や“傷”、“直し”などです。日常になってしまっていた制作の中のノイズをじっくりと見直したいと考えています。

アーティストについて

新里明士さんは、1977年千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科を中退した後、多治見市陶磁器意匠研究所で陶芸を学びました。現在も多治見を拠点にしています。国内の他、アメリカ、イタリア、ルーマニアなど海外でも多くの展覧会に出展し、日本を代表する若手のセラミックアーティストとして活躍しています。

代表作といえる「光器(こうき)」は、透過性の高い白磁に穴をあけ、穴に透明の釉薬を埋めて焼成した作品。作品自体が光を帯びたかのような様子を見せるのですが、これは、光に透け文様が浮かび上がる様を蛍にたとえた中国の技法「蛍手(ほたるで)」を独自に進化させることで生み出されたものです。とても薄くて繊細な作品は、取り扱いには要注意ですが、もちろん日常のなかで用いることも可能です。

疾駆のプロダクト「疾駆Drop」のためにも、とても面白いボウルセットを制作してくださいました。
こちらの記事も是非ご覧ください。新里明士 ボウルセット “luminescent”

7月から開催予定の「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」でも作品を多数出展予定です。
是非ご覧ください。