最近の3つ(くらい) 平川紀道

Yutaka Kikutake Galleryのアーティストたちに近況の報告日記をお願いしました。
読んだ本、聞いた音楽、美味しかった食べ物、そして、作品制作のこと。それぞれ多くて3つくらい、ご紹介します。
第4回目は平川紀道さんです。

最近読んだ本

NEW DARK AGE』 ジェームズ・ブライドル

車に積みっぱなしなのですが、ここのところ車内での待ち時間が減ったので、あまり進んでいません。

かたちは思考する』 平倉圭

個々の作品に対してかなりスペシフィックなので、自分の問題に一般化できるようなものはあまり登場しないのですが、楽しんで読んでいます。

「私」は脳ではない』 マルクス・ガブリエル

前著である「なぜ世界は存在しないのか」に続きがあるのならば、どんなものなのか気になって読み始めました。

平川紀道 "Datum" 札幌 モエレ沼公園雪倉庫での展示風景

聞いている音楽

最近は、ほぼストリーミング・サービスに任せっぱなしです。
運転中は、FM North Wave という北海道のラジオ局の放送を聞いていることも多いです。
AIと人間の選曲の違い、という説明では不足なのですが、ラジオの方が気づきが多いように感じます。

美味しかったもの

蒸し牡蠣。白ワインや日本酒で5分ほど蒸します。

面白いできごと

未明に郊外に外出することがあるのですが、キツネ、キジ、テン、エゾシカを見ました。
野生動物は、進化(遺伝的アルゴリズム)が導き出した現時点で最新のデザインと言ってよいと思います。
フォルムも動きも非常に洗練されていて、目を奪われます。自然が作る景観も同様です。

平川紀道 "spacecolortime" Lambda print, 2017-

アーティストについて

平川紀道さんは、1982年生まれ。2005年多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース卒業。2007年、同大学大学院デザイン領域情報デザイン修了。今は札幌を拠点にしています。(今回掲載している写真も釣りに出かけたときの写真だそうです。)

平川さんは、2004年よりコンピューター・プログラミングを用いた映像・音響インスタレーションを中心とした作品し、日本国内はもちろんのこと、海外でも反響を呼び、まさに世界中の各大陸を行き来しながら毎年たくさんの展覧会で作品を発表しています。また、池田亮司さん、大友良英さんや三上晴子さんらの作品制作にも参加し、ライブ・パフォーマンスも行うなど、多面的な活動を展開しています。

「時間」とは? 「宇宙」とは? 「世界」とは? 「私」とは?

こうした疑問への探求として、宇宙論や物理学も参照しながら、私たちの日常生活を支える世界の構成要素を人間の肉眼が見えている以上の姿に転化し、作品として実感できるものを生み出しています。理論が極まる瞬間というのは感性が極まる瞬間でもある、というような感覚をいつも抱かせてくれる、とてもロマンチックなものでもあるなと感じています。

展覧会情報などはこちらより。