疾駆 x th Artist フーディー Artist Cocktails uniform

2020年の1月8日から13日までの6日間、渋谷パルコ内のOIL by 美術手帖で「アーティスト・カクテルズ―愛すべきアートの話」というイベントを開催しました。アーティストが考案したオリジナルレシピのカクテルを飲みながら、作品を前にアートについて楽しく語らう場を生みたいと企画したイベントです。

アーティストたちが考えたレシピはこちら。

平川紀道
“xyz’ / エックス・ワイ・ジィー・プライム” 
ラム、コアントロー、レモン + ?

磯谷博史
“Snowfruit / スノーフルーツ”
mitosayaのオー・ド・ビー、季節のフルーツ、氷

松﨑友哉
“LONDON FLIGHT / ロンドン フライト”
Bloomsbury Peateのウォッカ、ベルモット、自家製イングリッシュブリスプラムピクルス

Nerhol
“Grinder / グラインダー” 
Nerholのオリジナル型枠で作られた氷、お好みのリキュール

田幡浩一
“Martini? /マティーニ?” 
ジン、ベルモット + ?

バーで作ってもらうような完成度を誇れるものでは決してなかったかもしれませんが、
独創性に富んで面白く、それぞれのアーティストの作品と通じるところもあり、
一口飲むと「美味しいっ!」と思わず声に出てしまうくらい、どれも胸をはれる出来でした。

バーテンダーをやるからには衣装を作ろう! 
ということで、Taro Horiuchiが展開するメンズブランドthとのコラボレーションが実現しました。

胸元には磯谷博史さんの作品がプリントされ、thのアイテムにそのイニシャルが刺繍されているように、
磯谷博史さんのイニシャル「hi」の刺繍がほどこされています。

プリントされているのは、この作品の一部です。

作品タイトルは「視覚的仕草(ブルー、レッド)」

重たそうな石がブルーのカバーをかけられた低反発のマットレスに載せられ、
もうひとつマットレスに載せられている丸い額のなかには、その状態を撮影した写真が収められています。
ここでは過去、今、未来が行ったり来たりしながら、
石とマットレスが置かれた環境そのものが、ずっとそのままの状態で、開かれているのです。
現代アートについて刺激的な文章を多く執筆している中尾拓哉さんは、この作品に触れてこう書きました。

「仕草は繰り返される。世界を対象化するのではなく、出来事の状態性において、世界のありようと出会うために。」 *1

まるでカクテル・グラスを口に運び、お酒に酔う―その仕草と同義であるかのようです。
このフーディーを着てバーでカクテルはいかがでしょうか?良い酔いを!

*1 時空間のフレームを超えて。中尾拓哉評 磯谷博史展「流れを原型として」、2019.2.1 web版美術手帖より引用